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日銀政策決定会合に関する最新動向
12月19日に予定されている日本銀行の金融政策決定会合では、追加利上げの可能性が注目されています。現在の市場見通しや日銀内部の議論を踏まえて、利上げの可能性があるのか、それとも据え置きなのかを調べてみました。
市場の見通し 円安進めば利上げ材料か
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- 市場での利上げ織り込み確率は、11月末の66%から12月5日には約37-40%に低下しました。これは、一部メディア報道や日銀内での慎重な姿勢が影響しています。
- 為替市場では、円安圧力が続いており、ドル円相場は一時151円台に達しましたが、中村豊明審議委員の発言後には円高方向に動きました。*円安に傾けば、利上げ材料
日銀内部の議論 中村審議委員 ハト派発言から撤回
日銀内では、円安による消費者物価への影響が限定的である限り、早期の利上げを避けるべきとの慎重な意見が強まっています。
中村審議委員は「金融緩和度合いを慎重に調節する重要な局面」と述べ、利上げに対して慎重な姿勢を示しました。ただし、「利上げに反対しているわけではない」とも発言し、柔軟な対応を示唆しています。
日銀、植田総裁の発言 利上げ示唆か
植田和男総裁は、経済・物価が日銀の見通しに沿って推移していることを「オントラック」と表現し、これを事実上の利上げ条件としています。*オントラックとは経済状況が軌道に乗っていることの表現。
現在の経済状況がこの条件に近づいていることが、12月の利上げ可能性を高めています。
「時間的余裕」表現の撤回
植田総裁は10月の会合後の記者会見で、「時間的余裕」という表現を使わないと述べました。利上げの時期は近いという意味に等しい発言です。
米国経済の安定
当初懸念されていた米国経済の下振れリスクが低下したことも、日銀の判断に影響を与えています。
経済・物価情勢 マンション価格上昇世界一
日本経済は緩やかに回復しており、消費者物価指数(コアCPI)は31カ月連続で2%を超える水準を維持しています。東京でのマンション・オフィス賃貸価格の上昇率は、世界1位の上昇率となり、金利引き上げの材料とも言えます。
ただし、中小企業を中心とした投資回復の遅れや節約志向、中国経済の減速といったリスク要因も指摘されています。
海外要因と影響 米・政策金利にも注目
- トランプ元大統領による貿易政策や中国経済の不透明感など、海外要因も日銀の判断に影響を与える可能性があります。
- FRBが来月の金融政策決定会合で2会合連続で利下げを行うという見方が広がっています。ただし、利下げ幅は通常の0.25%にとどまると予想されています。この日米金利差で、円高に振れる可能性もあります。
国内要因と影響
政治情勢の影響 金融緩和維持の主張
- 国内の政治情勢が利上げの制約要因となる可能性があります。特に、国民民主党の金融緩和継続の主張が影響を与える可能性があります。
- 円安の進行が利上げのトリガーとなる可能性があります。ドル円レートが1ドル=155~160円のレンジに入れば、政府の為替介入と共に日銀の利上げが促される可能性があります。
結論と展望
12月の日銀会合では、経済指標や市場動向を慎重に見極めた上で政策判断が行われる見通しです。現時点では利上げ実施の可能性は低下していますが、市場参加者は13日に発表される日銀短観や米雇用統計など、直近のデータにも注目しています。年内最後となる今回の会合結果は、日本経済全体への影響だけでなく、来年以降の日銀政策方針を占う重要なものとなるでしょう。
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